【半日モデルコース】都電荒川線で巡る!庚申塚~東池袋、昭和レトロと現代が交差する旅
毎日忙しく働くビジネスパーソンの皆さん、「週末はどこかに出かけたいけど、遠出は少し疲れるな…」と感じていませんか?そんな時におすすめなのが、都内に唯一残る路面電車「東京さくらトラム(都電荒川線)」でのんびり巡る半日旅行です。
今回ご提案するのは、どこか懐かしい風景が広がる「庚申塚(こうしんづか)」から、近代的な大都市の象徴「東池袋」までを結ぶゴールデンルート。まるでタイムスリップしたかのようなレトロな商店街、緑豊かな公園、そして最新のエンタメ施設まで、新旧の東京が混在する魅力的なエリアを、ゆったりと走る都電に揺られて散策してみませんか?この記事では、初心者でも安心して楽しめるモデルコースや、おすすめのグルメ・撮影スポット、さらにはお得な一日乗車券の活用術まで、その魅力を余すところなくご紹介します。
そもそも「東京さくらトラム(都電荒川線)」とは?
「チンチン♪」という可愛らしい警笛の音と共に、街中をゆっくりと走る路面電車。東京さくらトラム(都電荒川線)は、荒川区の三ノ輪橋から新宿区の早稲田まで、12.2kmの距離を約1時間かけて結ぶ東京都が運営する唯一の路面電車です。 [26]
なぜ都電は荒川線だけが残ったのか?
かつて都内には、都電が縦横無尽に走り回り、都民の足として活躍していました。最盛期の昭和10年代には41系統、総延長約213kmもの路線網を誇っていました。 [4] しかし、1960年代に入るとモータリゼーションの波が押し寄せ、自動車の増加に伴い路面電車は「交通の妨げ」と見なされるようになります。 [4, 9] その結果、次々と廃止に追い込まれていきました。
そんな中、なぜ荒川線だけが生き残ることができたのでしょうか。その最大の理由は、路線の大部分が道路とは分離された「専用軌道」だったことです。 [4, 9] 自動車の渋滞に巻き込まれることが少なく、定時運行が可能だったため、沿線住民にとって必要不可欠な足であり続けました。代替のバス路線を確保するのが難しい地域事情も後押しし、存続が決定されたのです。 [4] まさに、時代の荒波を乗り越えた「奇跡の路線」と言えるでしょう。
ビジネスパーソンこそ都電に乗るべき理由
普段、スピードや効率を重視するビジネスパーソンにこそ、都電の旅はおすすめです。車窓から流れる景色は、普段見過ごしている東京のもう一つの顔を見せてくれます。JR山手線の内側を走りながらも、その雰囲気はまるで別世界。歩くような速さで進む電車に身を任せれば、心身ともにリフレッシュできるはずです。また、運賃はどこまで乗っても均一料金で、一日乗車券を使えばさらにお得に散策できます。
【半日モデルコース】庚申塚から東池袋へ、新旧の魅力を満喫!
それでは、具体的な半日散策モデルコースをご紹介します。スタートは「おばあちゃんの原宿」で有名な巣鴨エリアの庚申塚停留場です。
時間 | 場所 | 内容 |
---|---|---|
13:00 | 庚申塚停留場 | 散策スタート!まずは駅名の由来となった「巣鴨猿田彦大神庚申堂」へ。 |
13:15 | 巣鴨地蔵通り商店街 | 「おばあちゃんの原宿」をぶらり歩き。名物の塩大福を味わう。 |
14:30 | 大塚駅前停留場 | 都電に乗車し移動。昭和レトロな街並みと都電が織りなす風景を写真撮影。 |
15:30 | 東池袋四丁目停留場 | 再び都電で移動。近代的な池袋の風景へ。 |
15:45 | サンシャインシティ | 水族館や展望台など、お好みの施設で楽しむ。 |
17:30 | としまみどりの防災公園 | 広い芝生で一休み。週末はイベントも。 |
スタート地点:庚申塚停留場と巣鴨地蔵通り商店街
今回の旅の始まりは、都電荒川線の中でも特に歴史の古い停留場の一つ、庚申塚から。 [37] 停留場を降りてすぐ、その名の由来となった「巣鴨猿田彦大神庚申堂」があります。 [37] ここは江戸時代、中山道の休憩所として栄えた場所で、旅人たちの安全を守る神様として信仰を集めてきました。 [19, 25, 37]
おばあちゃんの原宿「巣鴨地蔵通り商店街」
庚申塚から歩いて1分、そこは有名な「巣鴨地蔵通り商店街」です。「おばあちゃんの原宿」として知られ、約800mの通りに約200もの店舗がひしめき合っています。 [43] ここでの目当ては、なんといっても「とげぬき地蔵尊」で親しまれる高岩寺。自分の体の悪い部分を洗うと良くなると言われる「洗い観音」には、いつも長い行列ができています。 [36]
【豆知識】とげぬき地蔵の由来
江戸時代、誤って針を飲み込んでしまった女性が、地蔵菩薩の御影(おすがた)を飲み込んだところ、針が御影を貫いて体外に出てきたという逸話から「とげぬき地蔵」と呼ばれるようになりました。身体の「とげ」だけでなく、心の「とげ」も抜いてくれると信仰されています。 [39]
巣鴨名物「塩大福」は必食!
商店街散策で小腹が空いたら、名物の「塩大福」を食べ比べするのも一興です。 [34] 中でも「元祖塩大福 みずの」は、塩大福発祥の店として知られ、多くの人で賑わっています。 [6, 15] ほんのり塩味の効いた餅と、上品な甘さのあんこが絶妙なバランスで、散策の疲れを癒してくれます。 [17, 29]
途中下車:大塚駅前で昭和レトロな風景を撮る
巣鴨の散策を楽しんだら、都電に乗って大塚駅前へ。JR山手線と都電が交差するこのエリアは、戦前には池袋よりも賑わっていた繁華街でした。 [48, 49] 今でもその名残があり、どこか懐かしい昭和レトロな雰囲気が漂っています。 [42, 44, 50]
特におすすめの撮影スポットは、老舗和菓子店の路地から都電が顔を出す風景。まるで昭和の映画のワンシーンのような、ノスタルジックな一枚が撮影できます。 [toden-sakuratabi.jp] 近年は古民家をリノベーションした「東京大塚のれん街」のような新しいスポットも誕生し、新旧が入り混じった独特の魅力を放っています。 [2, 7, 11, 18, 30]
ゴール:東池袋四丁目とサンシャインシティ
レトロな雰囲気を満喫した後は、再び都電に乗り込み、終点の東池袋四丁目(サンシャイン前)へ。ここからは一気に現代的な風景が広がります。停留場から歩いてすぐの場所にあるのが、池袋のランドマーク「サンシャインシティ」です。 [3]
都会のオアシス「サンシャインシティ」
サンシャインシティは、水族館、展望台、プラネタリウム、テーマパーク、ショッピングセンターなどが集まった巨大な複合施設です。 [3, 5, 10] 特に「天空のオアシス」をコンセプトにしたサンシャイン水族館は、都会の真ん中にいることを忘れてしまうほどの癒やし空間。 [3, 16] 空中を飛んでいるかのように見える「天空のペンギン」は必見です。
緑豊かな憩いの場「としまみどりの防災公園(イケ・サンパーク)」
サンシャインシティのすぐ隣には、広大な芝生が広がる「としまみどりの防災公園(愛称:イケ・サンパーク)」があります。 [14, 21, 28, 35] 2020年にオープンしたこの新しい公園は、普段は人々の憩いの場として、災害時には防災拠点として機能する「フェーズフリー」な設計が特徴です。 [14, 24] 開放的な芝生の上で寝転んだり、併設のカフェでのんびりしたりと、思い思いの時間を過ごすことができます。
沿線のおすすめグルメ&カフェスポット
散策の楽しみの一つが、その土地ならではのグルメ。今回のコース沿いには、魅力的なお店がたくさんあります。
店名 | エリア | 特徴 |
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甘味処 いっぷく亭 | 庚申塚 | 庚申塚駅ホーム前にある老舗甘味処。手作りおはぎが名物で、店内から走る都電を眺めながら一休みできます。[toden-sakuratabi.jp] |
eightdays(エイトデイズ)大塚店 | 大塚 | 星野リゾートOMO5東京大塚の1階にある開放的なカフェ。濃厚なチーズケーキが人気です。[toden-arakawasen.tokyo-np.co.jp] |
KAKULULU(カクルル) | 東池袋 | ブラジル家庭料理が味わえるアットホームなカフェ。魚介とココナッツミルクのシチュー「ムケッカ」が絶品です。[toden-arakawasen.tokyo-np.co.jp] |
ESPRESSO D WORKS 池袋 | 東池袋 | ベーカリー併設の人気カフェ。「ワンハンドレッド食パン」という、水分量100%のもちふわ食パンが看板メニューです。[toden-arakawasen.tokyo-np.co.jp] |
都電を120%楽しむ!一日乗車券とレトロ車両
お得で便利!「都電一日乗車券」
今回の散策のように、一日に何度も乗り降りするなら「都電一日乗車券」が断然お得です。大人400円(小児200円)で、当日に限り都電が乗り放題になります。[kotsu.metro.tokyo.jp] 購入は、都電の車内で運転士さんから直接買うのが最も簡単です(現金のみ)。[kotsu.metro.tokyo.jp] PASMOやSuicaなどの交通系ICカードに情報を記録してもらうことも可能で、その場合は乗降時にタッチするだけでOKです。[kotsu.metro.tokyo.jp]
出会えたらラッキー? レトロ車両
都電荒川線では、様々な形式の車両が走っていますが、ひときわ目を引くのがレトロ調の車両です。特に2016年に登場した7700形は、昔の車両を改造して作られており、クラシックな見た目が人気を集めています。[toden-sakuratabi.jp] 深緑やえんじ色の車体は、街の風景によく映え、絶好の写真撮影の被写体になります。どの時間にどの車両が走るかは決まっていないため、出会えたら幸運のしるしかもしれません。
まとめ
東京さくらトラム(都電荒川線)で巡る、庚申塚から東池袋への半日散策コース。いかがでしたでしょうか。おばあちゃんの原宿の温かい人情に触れ、昭和の面影が残る街角で懐かしさに浸り、そして最後は近代的な都市の活気を体感する。この短い旅路には、東京という街が持つ多様な魅力が凝縮されています。
目まぐるしく変化する日常から少しだけ離れて、ゆっくりと走る都電に揺られる時間は、きっと心に安らぎと新しい発見をもたらしてくれるはずです。次の週末は、お得な一日乗車券を片手に、あなただけの都電散策に出かけてみませんか?